秋庭

風が変わった。
空が変わった。
空気の粒子が変わった。
ラスティッククガーデンにも秋の訪れ。
ヤマボウシの葉が色付きはじめた。

自宅で最後を迎えることを選んだ妻は庭を望める
部屋にベッドを移すことを望んだ。
少しずつ失認が進むアタマの中で
季節の移ろいをどう感じたのだろう。

主のいない庭で
風色の記憶が此岸と彼岸のはざ間を行ったり来たり・・・。

首あげて折々見るや庭の萩　　　　　子規