2015年 08月 28日
山は笑うだろうか。 |
半日を費やして山の奥深くに分け入った。
我が家もわずかばかりではあるけど数十町歩(?)の山林を所有していることに
なっている。
ところが恥ずかしながら全くと言っていいほど自分の山でありながら知り得てない
山林もあるのだ。
現在この流域の山でもようやく、森林組合を通して山林の地籍調査が行われていて
隣地との境界を確認するため立会のための山行であったのだ。
(ところがお互い自分の山の状況を知らないモン同志ばかりなので森林組合に
促されながら境界確認と言ってもヒジョーにアバウトで「ま、ここらでイイんじゃないの?」と
言った戦後の焼け野原の土地分割状態なのであった。)
森林組合の若い担当者2人に連れられて山に入ったものの、道なき道を登ってゆくのは
正直とても危なっかしくて疲れた。
この地域特有の急峻な山にそれでもあちこちに植林が施され、先人の苦労が偲ばれます。
植林はされたもののいつしか手が入れ切れず鬱蒼とした森が続きます。
半世紀以上も前、先人たちはこの木が順調に育ち、子や孫が木の恩恵に預かれることを
想い疑わず、転げ落ちそうな急な山に一本一本苗木を植え、焼ける夏の陽射しの中で
下刈りに精を出し、深い雪の中で枝打ちを施業してきました。
半世紀という時間は悠々と流れ、そして非情でもあります。
材価は30年前の数分の一にまで落ち込み誰一人として山に向かう者はいなくなりました。
その昔、山を所有することは一家の誉であり将来の夢の拠りどころであったはずですが
今や厄介者にさえなろうとしているのです。
半世紀掛けて転げ落ちていった事象は若しかすると半世紀掛けて浮上するのかもしれません。
(経済の論理で言うならば・・・)
実のところ代替エネルギーの一環で巨大な木質バイオマス発電が始まっています。
やがて燃料の争奪戦で木材の需要も見直されるのかも・・・
淡い期待も抱きますが、搬出コストの高い壁も存在しそんな期待も今の時点では
泡沫の如しです。
半世紀掛けて育てた木材をエネルギーと称して一気に燃やしてしまうことへの逡巡も
感じてしまいます。
山に慣れた森林組合の若い職員の後を付いていくのが精いっぱいで荒い息を吐きながら
やっと休憩の地に辿り着き、冷たい沢水を口にしながらそんな想いに駆られていた。
山の笑う日はいつか来るんだろうか。
天地寒し 山に入りて 山の殸聴く 風来坊
我が家もわずかばかりではあるけど数十町歩(?)の山林を所有していることに
なっている。
ところが恥ずかしながら全くと言っていいほど自分の山でありながら知り得てない
山林もあるのだ。
現在この流域の山でもようやく、森林組合を通して山林の地籍調査が行われていて
隣地との境界を確認するため立会のための山行であったのだ。
(ところがお互い自分の山の状況を知らないモン同志ばかりなので森林組合に
促されながら境界確認と言ってもヒジョーにアバウトで「ま、ここらでイイんじゃないの?」と
言った戦後の焼け野原の土地分割状態なのであった。)
森林組合の若い担当者2人に連れられて山に入ったものの、道なき道を登ってゆくのは
正直とても危なっかしくて疲れた。
この地域特有の急峻な山にそれでもあちこちに植林が施され、先人の苦労が偲ばれます。
植林はされたもののいつしか手が入れ切れず鬱蒼とした森が続きます。
半世紀以上も前、先人たちはこの木が順調に育ち、子や孫が木の恩恵に預かれることを
想い疑わず、転げ落ちそうな急な山に一本一本苗木を植え、焼ける夏の陽射しの中で
下刈りに精を出し、深い雪の中で枝打ちを施業してきました。
半世紀という時間は悠々と流れ、そして非情でもあります。
材価は30年前の数分の一にまで落ち込み誰一人として山に向かう者はいなくなりました。
その昔、山を所有することは一家の誉であり将来の夢の拠りどころであったはずですが
今や厄介者にさえなろうとしているのです。
半世紀掛けて転げ落ちていった事象は若しかすると半世紀掛けて浮上するのかもしれません。
(経済の論理で言うならば・・・)
実のところ代替エネルギーの一環で巨大な木質バイオマス発電が始まっています。
やがて燃料の争奪戦で木材の需要も見直されるのかも・・・
淡い期待も抱きますが、搬出コストの高い壁も存在しそんな期待も今の時点では
泡沫の如しです。
半世紀掛けて育てた木材をエネルギーと称して一気に燃やしてしまうことへの逡巡も
感じてしまいます。
山に慣れた森林組合の若い職員の後を付いていくのが精いっぱいで荒い息を吐きながら
やっと休憩の地に辿り着き、冷たい沢水を口にしながらそんな想いに駆られていた。
山の笑う日はいつか来るんだろうか。
天地寒し 山に入りて 山の殸聴く 風来坊
by rinken-style
| 2015-08-28 21:04
| かきのき村日和・かきのき時間