2017年 07月 04日
システアナ美術館 水を巡る壮大な冒険 |
昨年の今頃、システアナ美術館のアストリッド館長さんをはじめ友人のアレックスや王立建築アカデミーの教授ご一行が
訪日の際に柿木村を訪問してくださり気儘庵に泊まって頂いたのだった。
お別れ際にぜひデンマークに訪れて欲しいと言われ、「必ず行きます!」と約束をしていたのだ。
偶然にも今春3月から一年間に渡って開催されている建築家・三分一博志さんの「水」をテーマにした作品展の
お手伝いをリンケンがさせていただいたのでその三か月点検をも兼ねて訪問したいと考えていたので約束が叶ったのだ。
コペンハーゲン郊外のフレデリクスペア、
1800年代デンマーク王室の地下貯水場として使われていた広大な地下スペースが、現在ではアートスペースとして
様々な展示やワークショップ、コンサート等が行われている。
その地下空間に宮島の水上回廊をオマージュした木造回廊を100メートル以上に渡って創り上げたのだ。
もちろん木材は高津川流域の杉やヒノキ材をコンテナ船で運んだ。
建築家・秋山東一先生と旅の仲間数人を誘って夕刻のシステアナの地下に潜りこんだ。
湿度100%の地下空間は真っ暗闇でゾクリと冷気が身を包む。
ヒノキの香りが地下空間全体に漂っている。
目が慣れるまで時間が掛かったがしばらくするとアーチ状のコンクリート構築物の合間に木造りの回廊が蛇行している。
床には水が張られているのでまさに水に浮かぶ回廊だ。
コペンハーゲンの地下深く、幻想的で不思議な木の世界が繰り広げられていた。
ふと村上春樹の小説世界の地下空間を髣髴させるようだと思った。
by rinken-style
| 2017-07-04 13:50
| 建築・家具・インテリア