2020年 12月 20日
さよなら僕らの雑誌たち |
日曜日経の文化欄に目を惹くタイトルが載っていた。

ノンフィクション作家の沢木耕太郎のコラムなのだ。
沢木さんの文体が好きでこれまで「敗れ去る者たち」を始め殆ど全ての作品、エッセイを読み漁っていた。
三十年も前、沢木さんの「深夜特急」読んででどれだけの若者が夢を追い見知らぬ世界をめざしたのだろう。
雑誌で育てられ、やがてブックライターとして成功を収めた沢木さんにとって昨今の雑誌の休刊、廃刊ラッシュは身を削られるような想いなのだと言う。
世は何もかもがほぼスマホ時代。
電車の中、街の中で雑誌を手にしている人を見受ける事がほぼ皆無になっている。
誰もが画面を見ながら俯いている。
(半世紀も前、書を捨てよ街に出ようと檄したのは寺山修司だった。あれから半世紀、今街に出かけるのは憚られ家に籠れと言われる時代。捨てた本達は一体どこを彷徨っているんだろう。)
サブカル同時代世代として雑誌文化で育ち生きて来た僕ら自身もなんだかサヨナラと言われているような気がして複雑な思いで読み込んだ。

by rinken-style
| 2020-12-20 18:37
| 本・音楽・映画・アート