2007年 12月 21日
清家清 |


偶然なのかどうか知らないがku:nel誌も「堀井和子と訪ねた建築家・清家清の家」
と題して巻頭特集。
何故か今、清家清なのだ。(上から読んでも下から読んでも清家清・・・・やれやれ。)
堀井和子さんは以前「家をめぐる冒険」という本を書いていて、彼女が理想とする
住まいが清家さんの「私の家」に近いのでは・・・ということで取材するきっかけに
なったと書いてある。
随分昔にインスタント珈琲のCMで「違いがわかる男」シリーズが放映されたが
清家清は確かその一番目のオトコだったのではなかっただろうか。
それからかなりしばらくして「私の家」があの違いのわかる人の作であり自邸だったことを
知りナルホドナーと思ったものだ。
コンクリート製の四角い箱の中は玄関と呼べるものも間仕切りらしいものが無く
(トイレにも)その当時にしては相当思い切ったプランの建物だなーとびっくりした。
今で言うスケルトン・インフィルの思想が脈絡と住み継がれて「続・私の家」が建ち今では屋根の上にコンテナが乗っかっていたりする。
1954年の作というから丁度ボクが生まれたときに建てられていて、もう50数年も前の
作品とは思えない大胆さでユニークで自由で斬新だ。
天井にむき出しているハブマイヤートラスはとても美しくてイームズの影響が大いに
感じられるが、若き頃よりハイカラな人生を送っていたんだろうなー。
(あのハブマイヤートラスの構造美は野沢先生がちゃんと受け継いでますね。)
2輪ランブレッタに乗ってヨーロッパを周遊したというエピソードや、何よりボクがとても気になったのは敷地の一角に置かれた貨車の緩急車が彼の遊び心を感じさせてくれた。
それを本で見て僕は真剣に欲しくなり、各地の国鉄に電話して古い車掌車を探し廻ったものだ。
(残念ながら「私の家」にあるような品のある緩急車についぞお目にかかっていない。)
「豊かさというのは邸宅に住むことではなくて家族と住み生活する小さな家を建てる事である。」
「小さな家を良いhouseであると同時に良いhomeに創り上げたい。」
生前、違いのわかるオトコが口にしていたコトバだ。
(因みに、隣町のJR山口線日原駅の小さな木造駅舎は清家清+デザインシステムの設計です。)
by rinken-style
| 2007-12-21 22:29
| 建築・家具・インテリア