2008年 08月 23日
犬かき |
お盆が過ぎると河原はめっきり寂しさが漂う。川面を茜トンボが群れて飛び廻っていた。
空に浮かぶ雲も筋状の高い雲に変わっていた。
残り少ない夏休みを指折り数え、夏の終わりを名残惜しむかのように
真っ黒になった僕たちは毎日川遊びに興じた。
いつしかタイヤチューブの浮き輪を持たずに川面に浮かぶことができるように
なっていた。
それでも向こう岸に年上の子が待っていてくれないと、なかなか思い切って
淵の中央には泳ぎ出せない。
最初のうちは水の中に顔を付けて泳ぐのもなにやら恐々だった。
両手で顔を挟み込むようにしてまっすぐ揃え、足を蹴って川面に飛び出す。
ブクブクと沈みそうになるのを堪えながら必死になってバタ足をする。
息が途切れそうになるので何度も顔を上げて口で空気を吸い込んだ。
時折、一緒に飛沫まで口に入ってきて思いっきり咽込んだ。
そのうちに、手を使ってアヒルのように水を掻く事を教えてもらった。
随分と早く向こう岸にたどり着けるようになった。
ただこの泳ぎ方は贔屓目に見てもあまり格好いい泳ぎ方ではないなと
子供心に思った。
年上の子供たちはクロールや平泳ぎでなんともかっこよくスイスイと泳ぎ回っていた。
4本足の動物はいずれも泳ぐときはこの格好になってしまう。
牛だって馬だってたぶん河馬だって、犬かきなんだろう。
どうして犬が代表選手になったのかよくわからないが、それにしても
僕たちにとってはいきなりバタフライで泳ぐことも出来ず、
情けない「犬かき」は川遊びにおける通過儀礼のひとつだったのだ。
川ガキはそんな風にして少しずつ少しずつ大粒に育っていくのだった。
空に浮かぶ雲も筋状の高い雲に変わっていた。
残り少ない夏休みを指折り数え、夏の終わりを名残惜しむかのように
真っ黒になった僕たちは毎日川遊びに興じた。
いつしかタイヤチューブの浮き輪を持たずに川面に浮かぶことができるように
なっていた。
それでも向こう岸に年上の子が待っていてくれないと、なかなか思い切って
淵の中央には泳ぎ出せない。
最初のうちは水の中に顔を付けて泳ぐのもなにやら恐々だった。
両手で顔を挟み込むようにしてまっすぐ揃え、足を蹴って川面に飛び出す。
ブクブクと沈みそうになるのを堪えながら必死になってバタ足をする。
息が途切れそうになるので何度も顔を上げて口で空気を吸い込んだ。
時折、一緒に飛沫まで口に入ってきて思いっきり咽込んだ。
そのうちに、手を使ってアヒルのように水を掻く事を教えてもらった。
随分と早く向こう岸にたどり着けるようになった。
ただこの泳ぎ方は贔屓目に見てもあまり格好いい泳ぎ方ではないなと
子供心に思った。
年上の子供たちはクロールや平泳ぎでなんともかっこよくスイスイと泳ぎ回っていた。
4本足の動物はいずれも泳ぐときはこの格好になってしまう。
牛だって馬だってたぶん河馬だって、犬かきなんだろう。
どうして犬が代表選手になったのかよくわからないが、それにしても
僕たちにとってはいきなりバタフライで泳ぐことも出来ず、
情けない「犬かき」は川遊びにおける通過儀礼のひとつだったのだ。
川ガキはそんな風にして少しずつ少しずつ大粒に育っていくのだった。
by rinken-style
| 2008-08-23 10:25
| 高津川ラプソディ